事業・戦略

いま経営者が抱えている一番多い悩みを解決するには

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経営者は常に様々な悩みを抱えています。差し迫った資金繰りの問題から人材雇用、後継者問題や、権限委譲の度合いなど、状況によって悩みは多種多様です。

なかでも最近増えてきている悩みがあります。それは「次に何をすれば良いかわからない」という悩みです。

一見、非常に漠然とした悩みです。ところが、この悩みは経営者にとってとても重要な問題です。
なぜならば、次にどの方向に向かうのかが定まっていないと、様々な場面で決断を迷ってしまうからです。これは優先順位がつけられなっている状況とも言えます。

しかも、怠けている経営者だけでなく、真面目な経営者でもこの悩みを抱えています。

この悩みを抱えてしまうには理由があります。この記事ではその理由と対処方法をお伝えします。

この方法を実行すれば、日々直面する決断の場面で迷うことがなくなり、自信を持って行動できるようになります。そして、多くの人が決断できずにいる今の状況を、むしろ自社や自分自身にとってのチャンスと考えられるようになるでしょう。

優先順位がつけられない理由

なぜ優先順位をつけられなくなっているのでしょうか?それは単純に「先が見えない」からです。

内閣府が「新たな産業への対応」をテーマにあげて論じているように、いまは「第四次産業革命」の真っ只中で、未曾有の大変化が進行中です。

「第四次産業革命ってなんだっけ?」と疑問を持たれる方もいると思うので、産業革命について簡単に振り返ってみます。

第一次産業革命は蒸気機関による機械化、第二次産業革命は電力を使ったモーターや内燃機関(エンジン)の発明による大量生産化、そして第三次産業革命は主にコンピューター技術などの発展による自動化と言われています。第三次の定義は若干あいまいですが、工業ではない、サービス、金融、小売、保険などの発達を中心に、インターネットの出現あたりまでが第三次産業革命となっています。

第四次産業革命はまだ始まったばかりで現在進行中です。内務省の分析では、

  • 大量生産・画一的サービス提供から個別にカスタマイズされたサービスへ
  • 既に存在している資源や資産の効率的な活用
  • 従来人がしていた労働をAIやロボットによって補助、代行する

これらによって、商品やサービスの生産や提供の方法が大きく変化し、生産の効率性が飛躍的に上昇する可能性がある、とされています。

また消費者サイドでは、今までの商品やサービスがさらに安く、しかも好きなときに好きなだけ購入できる上、今までは欲しいと思っていても実現されていなかった商品やサービスを手に入れられるようになる、と分析されています。

今後、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)や、VR(仮想現実)などが本格的に取り入れられていくと、どのような変化が訪れるのかは想像もつきません。

すでに、第四次産業革命の影響で製品やサービスの寿命が非常に短くなっています。それに伴い、会社の寿命も短くなっています。

加えて、消費者の行動パターンや判断基準もここ数年で大きく変化しています。

消費者が製品を買おうと思ったとき、数年前まではテレビのCMや雑誌の広告、あとは身近な人の口コミくらいしか参考にする情報がありませんでしたが、今は、検索で調べた情報や、SNSでの評判を参考にして、また重視するようになっています。

製品やサービスの寿命が短くなった上に、消費者の判断基準も変化している状況では、先行きの見通しを立てるのが難しいのは当たり前です。

だからこそ、どんなに優秀な経営者でも、「次に何をやったらいいのかわからない」が、だからといって「何もしないでも大丈夫ということはあり得ない」という悩みが出てくるのです。

変化が激しい時代に軸とすべきもの

「変化のスピードが非常に速く、しかもそれが加速するのが当たり前」な環境では、なにか固有の商品やサービスにこだわっていると、取り残されてしまうリスクがとても大きくなります。

それは、どんなヒット商品であったとしても同じです。ガラケーはスマホに代わり、フィルムのカメラはデジタルカメラに、さらには(一部の高級な性能以外は)スマホのカメラ機能に代わりました。

自社で扱っている商品が時代遅れになったら、ニーズに合わなくなったら?そのときに備えるためにはどうしたらいいのか?

これは深刻な問題です。

そのために商品の改良をしたり、新商品を出したりするわけですが、これほど速く技術や生活スタイル(買い物の方法、働き方など)が変化していると、なかなか追いついていけません。

模索している間に手遅れになったり、製品の性質そのものが変化してしまったりするからです。

たとえばビデオカメラやデジタルビデオカメラはもともと、運動会のようなイベントのときに、「さあ、録画しよう!」と勢い込んで使うものでした。ところが、スマホの容量が増えて動画機能が手軽に使えるようになると、そんなイベントだけでなく、むしろ日常を気軽にSNSにアップしたりするために頻繁に使われるようになっています。

今後テクノロジーの発展でさらに別の使いみちが生まれてくる可能性も大いにあります。

そうすると、今までの常識を土台に製品の改良を考えているだけでは役に立たなくなってしまうこともあり得るのです。

では、何を軸にしたらいいのか?

上の例でもわかるように、今の時代、形のあるものは非常に速いスピードで変化しています。そのため、形のあるものにこだわりすぎると、変化についていくことができません。

ではどうしたらいいのでしょうか?

形のあるものではなく、形のないものを軸にする必要があります。

ただし、「形のないもの」とはいっても、「魅力的な商品やサービス」の代わりに軸にするのですから、強い求心力が必要です。商品やサービスでも、惚れ込んだものであればあるほど開発も営業も意欲的にできるのと同様、軸にする「形のないもの」はすごく魅力的でなければ意味がありません。

なので、単に「快適さ」や「最高の顧客サービス」といった漠然としたものでは不十分です。それを聞いたからといって「ぜひ試してみたい!」とは思えないからです。

では、どんなものなら強い求心力があるのでしょうか?

消費者が一番欲しがっているのは、その商品やサービスそのものというよりも、それを利用して楽しい、快適、便利になっている状況です。ですから、その商品やサービスを使った結果、「誰の」、「何を」、「どのように」変えようとしているのかというイメージをありありと思い描いてみてください。

そのイメージが非常に魅力的だったら、そこには強い求心力があります。

これが得意だったのはなんといってもApple社のスティーブ・ジョブズ氏でしょう。

Appleはもともとパソコンを作っていた会社ですが、そもそも個人がパソコンを使う、という発想を誰もしていなかった時代にそれを実現させたのがジョブズ氏です。彼の頭の中には、パソコンを個人が使いこなすライフスタイルがありありと描けていたのでしょう。

iPod についてはソニーのウォークマンから大きな影響を受けたと聞いていますが、そこからiPhoneが生まれてくるのは、単に「商品の改善」という発想だけではあり得ないことです。

iPhoneの製品発表会では、それを使いこなしているライフスタイルがいかに便利でスタイリッシュで楽しいか、実にリアルなイメージを描かれたので、多くの人が「iPhoneのある生活」に魅了され、iPhoneを買うために長蛇の列を作ることになりました。

もし、Appleがパソコンだけ、あるいは音楽携帯端末だけという製品やその性能といった有形のものにだけこだわっていたら、こんなふうにはならなかったでしょう(ジョブズ氏がいない今、これからどうなっていくかはわかりませんが)。

スティーブ・ジョブズは天才ですが、彼が天才なのは、この考え方を誰にも教わらずに一人でできてしまえたことです。

しかし彼ほどの天才でなくても、同じ発想法を学ぶことは可能です。

大事なのは商品やサービスの先にある、それによって「誰の」、「何を」、「どのように」変えたいのかを明確にイメージすることです。

たとえば、ご飯を炊く間、つきっきりではなくて、他の家事ができたらいいのに、と願っていた主婦に、それができるライフスタイルを実現させたのが電気炊飯器。

音楽好きの少年が、自分の好きな曲をいつでもどれでも聞けたらいいな、と夢見たライフスタイルを現実にしたのがウォークマン。

電車の待ち時間でも気軽に好きな本が読めたらいいけど、いつも選んで持ち歩くのも大変だし・・・、と思っていた読書好きのサラリーマンに、それができるライフスタイルを実現したのが電子書籍。

といった具合です。

「それを必要としている人」の「○○な生活を」「△△なように変えられる」商品ですが、その目的やライフスタイルを実現できるのなら、その商品だけにこだわる必要はありません。

もっといいものや、さらに追加したいものが出てきたら、それを提供すればいいし、違うものの方がもっとその実現に役立つなら、そちらに変えた方がいい、と思えるでしょう。

実際のところ、「あなたはなんのためにその仕事をしているのですか?」と聞かれたときに、自分のやっていることの業務の説明ではなく、自分がその事業を通じて実現させたいと思っているライフスタイルは社会のイメージまで明確に描ける人は少ないといえます。

これからの時代、特定の商品やサービスの魅力にだけ頼れないとしたら、あなたが、その事業や、商品やサービスを通じて、「誰の」、「何を」、「どのように」変えて、どんな将来のライフスタイルや社会のイメージを目指しているのか? があなたの事業の軸になります。

たびたび、「誰の」、「何を」、「どのように」と繰り返したのは、それがないと、漠然としたイメージにしかならないからです。

「高齢者が健康を維持できる社会にする」というよりも、「自分のおばあちゃんが、気軽に、かつ安全にスポーツをしているイメージ」の方がはっきりします。

それがありありと明確に描けて魅力的であればあるほど、強い求心力が生まれ、あなたの行動や会社の優先順位も明確になり、そのイメージに共感し、魅了される顧客や協力者を引きつけることになります。

何を実現したいかを明確に描くには?

さて、「誰の」、「何を」、「どのように」変えて、どんな将来のイメージを目指しているのか明確にするのが重要であることはわかった、じゃあ、それをやってみよう、と思っても、実際にはそれほど簡単ではありません。

私達は日々、いろいろな常識や思い込みに縛られて生きています。自分では特に縛られているつもりはなくても、今まで働いてきた会社や業界の枠組みの中でだけ物事を考えてしまいがちです。

そのため、実際には可能なことでも最初から「できない」と思って思考に制限をかけてしまいがちです。

「自分は本当は何をしたいのか?」「どんなライフスタイルを実現させたのか」を突き詰めようとしても、今までの思考パターンのちょっと先をぐるぐると回ってしまって、そこから出ることができないことが多いのです。

だからこそ、それを一人でラクラクとやってのけて、周りがなんと言おうと貫き通せるジョブズ氏のような人は天才と呼ばれるわけですが、天才でない私達は、一人ではなかなか今までの思考パターンから抜け出せません。

しかし、今の時代、ありがたいことに、そこで、第三者の助けを借りるという選択肢があります。

こういった場合の助けとなってくれるのがコーチと呼ばれる人たちです(中にはコンサルという名前でそのサービスをしている人もいますが)。

コーチは正解を教えてくれる先生ではなく、あなたの中にある、あなたにとっての正解に自分で気づけるように手を貸してくれる人です。

優秀なコーチは自分の考えを押し付けるのではなく、あなたの言いたいことを全部吐き出させた上で、あなたが本当に望んでいることや、あなたが修正した方が良いところに、自分から気づけるように手を貸してくれます。

自分が魅力を感じるイメージが明確になるとどうなるか

自分もそれを体験したいと思い、周りの人にも体験してもらいたいと心の底から思えるような将来の生活やライフスタイルを描けるようになるとどうなるでしょうか?

まずとてもやる気が出てきて、そのために努力するのが苦ではなくなり、そのことについて人に話すときもワクワクして迷いがなくなります。(なにしろ、自分もそういう生活を楽しみたいのですから!)

そして、この記事の最初に出てきた、「優先順位をつける」ことが簡単になります。たとえば、一見儲け話に見えても、描いたイメージと矛盾するようなことには惑わされなくなるからです。

すると当然、「次に何をすればよいのかわからない」という悩みは解消されます。

先が読めない世界では(前例がないことが多いので)トライアンドエラーでしか進めないことがたくさんあります。しかし、たとえ失敗したとしてもなんのためのトライアンドエラーかをわかっていれば、どんなことをするのにも「このステップが必要だ」という自信が持てるでしょう。

最初は目指すところのごく一部しか思いつけなかったり、ありありと描けなかったり、一人ではみつけられないというのも普通のことですが、幸いなことに、この情報化が進んだ社会では、意識さえしていれば、昔よりも圧倒的に速く、ヒントに巡り会うことができます。

また、コーチのようにその手助けをしてくれる人が現れたのも最近のことです。

まだ、その重要さに十分気がついている人が少ない現状で、いち早く、商品やサービスの先を行く、事業の本当の目的、あなたが実現させたい明確なイメージをみつける努力を始めましょう。

そうすれば、これから第四次産業革命が進み、ますます変化が加速していく世の中でも、変化に翻弄されずに、自分も人も魅了できるイメージを実現させるチャンスをつかめるでしょう。

まず、なにか行動を

最後までお読みいただきありがとうございます。
もしこの記事を読んで少しでも思い当たる、引っかかることなどがあれば、ぜひ一度お話を聞かせてください。
同じ悩みや思いを抱えられてる方と私、蘆原健二とでお話しましょう。

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蘆原健二へのお問い合わせ

経営者・事業者の方を中心に、経営に必要な独自の帝王学を共に設計開発する物理研究者。 学生時代に両親が経営する会社が倒産、それをキッカケに独立起業を決意、20歳のときに個人事業主として独立、4年間で知人から数千万円の事業資金を集め、会社を設立し代表取締役に就任。 人生経営と会社経営に必要な、経営哲学、経営理論などを、世論に合わせ自分ではない他者から学ぶのではなく、世界で自分にしか使いこなすことのできない経営手法を、共に研究開発するためのアシスタントを提供しています。

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